世の中には2種類の人間がいる。ゲームをやる人とやらない人だ。
ゲームをやる理由は、面白いから、暇つぶし、やらないと落ち着かない(中毒性)などでしょうか。方や、ゲームをしない人にとっては、面白くない(他に楽しいことがある)、お金や時間の無駄などがその理由でしょう。
では、ゲームで確実にお金がもらえるとしたら。ゲームをやらない人でも興味が出てくるのではないでしょうか。面白くないけど報酬のためにやる。それはもはや仕事かもしれませんけどね。そしてタダでも(お金を払ってでも)ゲームを楽しんでいた人にとっては、夢であり理想の生活かもしれません。
ゲームで遊びながらお金を稼ぐPlay To Earn(プレイ・トゥ・アーン)は、既に実現しています。有名なのは、2018年にリリースされたNFTゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」です。ゲーム内容はポケモンに近いでしょうか。アクシーと呼ばれるモンスターを集めて、コンピューターや他のプレイヤーとの対戦を行います。対戦やクエストのクリアで、SLPという仮想通貨が手に入り、SLPを仮想通貨の取引所に送金し日本円などに換金することが可能です。
仮想通貨なので価値は変動しますが、SLPの価格が下がってきた今でも、1ヶ月に約1万円〜1万5000円以上(2021年10月現在)は稼げるとか。フィリピンなどの途上国では失業者が手軽に稼ぐ方法として人気が過熱するわけです。
ただしゲームを始めるには、アクシー(モンスター)を3匹以上購入しなければならず、の価格は現在約4万円ほど(2021年10月現在。一時期は15万円以上した)。元手がなければ始められないのですが、これを解決するため「スカラーシップ」が用意されています。これはアクシーを購入した人が他のプレイヤーに貸し出すことで獲得した利益を分け合う仕組みです。
「ウーバーイーツで働きたいが自転車がない」人に、「オレの自転車を貸すから利益を半分くれ」というような話です。もちろん、自転車でもアクシーでも、貸したのはいいけど、働きが悪くて投資が回収できないリスクはあります。
反面、高額だが強いモンスターを揃え優秀なプレイヤーと組むことで大きな利益が得られる。まさに現実の資本主義に近いシステムではないでしょうか。
遊びと金銭的な利益、2つの欲望を同時に満たそうとするギャンブルに、投資の概念が加わったようなNFTゲーム。これまでゲームに興味のなかった人を取り込んで、ゲームの世界を大きく変える可能性を持っています。
しかし、よく考えたら、パチンコやパチスロの「打ち子」も同じですね。パチプロ的な人や組織が、ヒマな人に日当を払って指定された台で遊ばせ、利益を取るのが打ち子です。Play To Earn、前からあるやん。形は変われど、人間の考えることにそう変わりはないようです。